同級会の記憶狩りから逃げ切った女
20代、30代の頃、私は周囲から勝手に「お高い女」扱いされていた。
本当はスーパーの半額シールを追いかける庶民なのに、外から見ると女王様。まるで「20代でピークを迎えた観賞用の胡蝶蘭」みたいに扱われていた。
でも、あのまま放置していたら、今ごろは「若さを定期預金と勘違いした女」として、同級会でみんなに「誰?」と記憶をたどらせる羽目になっていたかもしれない。
幸い、ギリギリでキャラ修正が間に合ったおかげで、今は「結婚しない女」としておとなしく暮らしている。
同級会でいちいち記憶を巡らせる手間も省けるし、何より「歳をとると人間丸くなるのね」を地でいける。
あのままの胡蝶蘭キャラだったら、今頃は枯れかけて、花瓶の中で哀れに水を吸っていたことだろう。
いやいや根っこから腐っていた・・・。