ゴッホと刺身のあいだで揺れる私
東京で開催中のゴッホ展、NHKの番組まで組まれていて、さすが「世界のゴッホ」。
私も世界あちこちでゴッホ展を見てきたけど、やっぱり惹かれる。印象派よりもこっちの系統が性に合う。
ただ、映画や小説で彼の人生をなぞると、「この人、絵を描く以外は完全に不器用」ってしみじみ思う。
日常生活はポンコツ、一般常識もゼロ、ただ「絵を描くこと」だけが全存在。
もし生まれ変わって「絵しか描けない才能だけポンッ」と渡されたら、私なら返却する。
レジ袋のほうがよほど役に立つ。
天才の人生って、本当に幸せだったんだろうか?
そう考えると「平凡」って、実は贅沢品なのかもしれない。
だって今はSNS時代。
本来なら裏方で終わっていた人まで、承認欲求で表に出てくる。
一瞬チヤホヤされても、気づけばアンチと誹謗中傷に叩かれてメンタル崩壊。
「天才」どころか「ただの燃料」扱いされている。
そう思うと、平々凡々に暮らして、最後は静かに幕を下ろす人生のほうがずっと上等。
影響力をもてない「ヒガミ」に聞こえる?
影響力? そんなもん持たなくて結構。
ゴッホの「ひまわり」より、スーパーの「半額シール」の方が、私には輝いて見える。
そうよ、私の美術館は冷蔵庫。名画は「半額の刺身」よ。