メール番長の視線は太字で届く。質問の階級制度は返信不要 ~令和のコミュニケーション最前線はメールです。なお人格と器は件名より本文に宿ります。~
メールだけで性格が分かるって、便利な時代だわ。
会ったこともないのに、受信トレイ開いただけで人柄オープンデータ化。プライバシーもへったくれもない。
今は仕事上“メールだけの付き合い人”がいる。
顔も声も知らない。でも確信してる――顔が見えなくても表情は文章に出る。絵文字じゃなく人格のにじみね。
丁寧に書いてるつもりでも、行間の目つきが悪いタイプ。
こちらが質問しても、完全スルー。
スルーの精度はプロ級。ノールック三振。ミットも構えていないのにキャッチャー気取り。
ところがですよ? そんな人は自分のメールとなると態度が豹変。
即レスを要求、返信速度は光速でお願いします、って圧。
謝罪文は添えるけど、誠意は添え忘れ。
申し訳ありません、って書いてあっても、後ろに(返事くださいね♡)の催促スタンプが押してある。
催促の書体が明朝体より太いのよ。気合いがデカ文字。
結局この人たち、質問の重要度ランキングがあるのね。
自分の質問=横綱、他人の質問=地方巡業。
「徳ポイントは付与しないが、返信義務ポイントは事務的に発生」っていう新札でも刷ったら売れるんちゃう?
仕事だから割り切れ? ええ、分かってる。
でもね、私の昭和センサーは過敏なの。
メールでドヤり、返信でマウント、質問内容で勝手に階級社会を作る人種。
そういう人たちに限ってリアルで会うと、おとなしいフリするんでしょ? メールだけ番長。
――そんな感じで、メールって正直すぎるのよ。
本人の言葉は嘘つけても、文の空気圧は誤魔化せない。
今日も受信トレイの天気は曇りのちムカつき、降水確率は100%です。
いるなら続けて書くけど?と言われたら…
いえいえ、あなたのペースでどうぞ。私は既読スルーで去りますから。