令和の昭和騒動 ~ホルムズ海峡とトイレットペーパーの記憶~
石油ショックという言葉を聞くと、昭和のトイレットペーパー騒動を思い出す。
店から紙が消え、人々が慌てて買いだめに走った。
今では笑い話のように語られるが、その時は誰も笑っていなかった。
令和になって、今度はホルムズ海峡封鎖だ。
石油供給問題、そしてガソリン高騰。
何十年ぶりかで「暫定税率」を解除したというのに、
ガソリンは相変わらず高い。
宇宙開発、AI、ロボット。
未来の話ばかりしていたはずの令和なのに、
気がつけばまた石油の話をしている。
未来都市を夢見ていたつもりが、
ニュースの中身はどこか昭和の再放送だ。
時代は繰り返すという。
では次は何だろう。
またマスク騒動か、トイレットペーパー騒動か。
店頭から物が消えると、人は急に賢くなるどころか、むしろ群衆になる。
普段は冷静な顔をしている人ほど、
「残りわずか」の紙一枚で判断力を失う。
AIがどれだけ進歩しても、
買いだめをするのは結局、人間だ。
文明は進歩しているのに、人間の行動パターンはあまり変わっていないらしい。
昭和のオバちゃんは、停電も断水も経験している。
だから近年の「何も起こらない平和な時代」の方が、
むしろどこか落ち着かない。
静かすぎると、そのうち何か起きるのではないかと思ってしまう。
人間というのは、ときどき刺激がないと鈍るものなのだろうか。
常に寝首をかかれる準備でもしていないと、安心できないのかもしれない。
もっとも、昭和回帰といっても、
ミニスカートやボディコンまで復活するとは思えない。
どうやら人間は、
不安だけは昭和並みに繰り返すが、
景気の良さだけは絶対に復活させないらしい。