女性総理誕生と、昭和おばちゃんの政治鑑定 ~政治も、ようやく“顔ぶれ”だけはアップデートされたようだ~
日本初の女性総理が誕生した。世間はお祭りムード、ネットでは「歴史的快挙」とはしゃいでいる。
そして続くのは“組閣メンバー大喜び大会”。まるで紅白出場歌手の発表でも見ているようだ。
デジタル大臣に抜擢されたのは、元救命医。経歴だけ見ればドラマのように華やかだ。
ただ、医療現場を知る者からすれば、救命医という職業には独特の距離感がある。
人を救う最前線に立っているようで、実は“診断”や“治療”という本来の医師の苦悩とは別世界。
命の現場を見ながら、医師本来の役割と自身の現実のはざまで葛藤する――だからこそ、政治家に転身できるのかもしれない。
就任会見を見たが、記者への対応はごくごく当たり前。
社会人経験者なら誰でもできる真摯な対応。ネットでも「やっと紙をみないで返答できる大臣がでた~」と褒めちぎる。
要するに、今までの政治家がどれだけ“世間知らず”だったかを証明してしまっただけだ。
一流大学を出て、官僚を経て、そのまま議員バッジをつける。
人生の“デコボコ道”を一度も歩いたことのない人が国を動かしている。
親の地盤をそのまま受け継いだ二世議員が、汗ひとつかかずに“先生”と呼ばれている。
そして、大臣に就いた途端、目が輝くのは「国民」ではなく「利権」。
権力を握った瞬間に、人間の欲というものの醜さをこれでもかと見せてくれる。
そんな政治家ばかりをテレビで見てきた昭和世代の私からすれば、
今の政治ニュースは「昭和劇場・再放送」にしか見えない。
政治も、ようやく“顔ぶれ”だけはアップデートされたようだ。