銭湯で遭遇した「マイルール警察」 ——お湯より熱いのは、昭和の説教

Kao/ 11月 1, 2025/ 未分類

数年前、リフォーム中に泊まった都内のホテルの近くで、
レトロな銭湯を見つけた。懐かしさ満点で、即突入。
番台のおばちゃんにドキドキしながら入ったら、
まさかの「昭和の秩序維持委員会」に遭遇した。

若いホテル客らしい女の子が入った途端、
「ちょっと!それはダメよ!」と常連のおばあさんが急に発火。
え、なに? 石鹸の置き方に国家機密でも関係してた?
さらに追い討ちで、別のおばあさんも参戦。
「それもマナー違反!」と熱湯のような口調。
挙げ句、私にまで「あなたも気をつけてね」と二次被害。
……気をつけます、火傷しないように。

ロッカーに戻る頃には、もう“説教合戦”が白熱中。
さながら“銭湯の掟 〜老兵たちの逆襲〜”。
湯けむりの向こうで、昭和が最後の抵抗をしていた。

思うんだけど、
ああいう人たちって「伝統」と「私ルール」を混同してる。
「私がいつもこうしてる」=「日本の礼儀」みたいな。
で、それを若い子に伝えるのが“使命感”。
ありがたいけど、頼んでないのよね。
お金を払ってる以上、全員“客”。
常連ポイントで湯船の所有権が上がるなら、私も通うけど?

結局いちばん偉かったのは、おとなしく謝ってた若い子。
そして私は心の中で、「もう二度と来るか風呂限定」と呟いた。

年寄りはバトンを渡すもの、
マイルールを押しつけるために居座るものじゃない。
——湯の温度は熱くていいけど、態度はぬるめで頼む。

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