「忖度の利息はつかない。換金もできない。なのに今日も貯めてしまった徳の残高」 ― メールは刺さる、姿勢は下がる。徳は貯まるが換金不能な仕様です ―
朝、仕事のメールでカチン。
相手の返信が、斜め上どころか宇宙からの落下物みたいな理解度。
「仕事できます〜」って自己申告だけは横綱級なのに、
こちらの意図にはノーリアクションで死角に入る名人芸。
思わず出た、昭和オバちゃんのツッコミ。
「いや、メール読む前にまぶたと礼儀を起立させろ!」
「意図はQRコードじゃない。普通に読め!」
で、次の怒り皿が回る。
「こんな奴が、私より高い給料!?」
…って言ってから気づいた。
えっ、私いま“金額”で怒った? それ一番つまらんやん、私!
でもね、世の中の真理はどうせコレ。
「器が大きくなるのを待つより、墓が先にできる人もいる。」
どんな人格者でも、社会を究めても、
運のスキルは別の扱い。天命は人事部じゃなくて神の直配。
だからって「徳ポイントを貯めろ派」の人たち、ほんと謎。
「徳ポイントためても交換所あらへんぞ。」
現金もメダルも、信頼も人生評価も、交換窓口なんてどこにもない。
結局いま頼れるのは——
UNIQLOで買った実家感ゼロのフリース、
そして私のタンスの中の……
実寸の服サイズだけ。
あれは嘘をつかない。入らないという事実で殴ってくる。
でもね、メールの刃は刺しても、姿勢は下げちゃうのが私。
「すみません」「私の言い方も悪かったですわ」って反射で会釈。
——でも腹の中の稲穂は、永遠に起立してるけどね。