「奥様は魔女に憧れて、渡鬼で現実を知った」 ― 昭和ドラマが教えてくれた、女は一人が一番ラクという結論 ―
子供の頃、憧れの目で見ていたアメリカのホームドラマがある。
『奥様は魔女』。
魔法で家事は一瞬、夫は基本お人よし、
ご近所トラブルも鼻をピクッで解決。
湿っぽさゼロ、説教ゼロ、陰湿さ皆無。
昭和日本の「我慢は美徳」文化とは、別の惑星だった。
一方で、日本の昭和ドラマといえば
『寺内貫太郎一家』『時間ですよ』。
ちゃぶ台がひっくり返っても、最後は団らん。
文句を言いながらも、なぜか全員そろって夕飯を食べる。
家族って、そういう“雑で温かい共同体”だった。
ところが、かなり遅れて観た『渡る世間は鬼ばかり』。
……え、これ地獄絵図では?
嫁姑、夫婦問題、更年期、金、見栄、嫉妬。
女が五人集まると、鬼は外じゃなく内側にいた。
結婚しても、子どもが巣立っても、
「はい、お疲れさまでした」とは一切ならない。
観れば観るほど、
「女は独身で一人で気ままに生きたほうが楽なのでは?」
という結論に、毎回引きずり込まれる。
血縁って、安心でもあり、呪いでもあるのね。
親子、兄弟、姉妹。
結局、“氏より育ち”というより
“どんな環境で、誰と距離を保って生きるか”。
それが人生の快適度を左右する気がする。
そう考えると、今の自分の環境も悪くない。
魔法は使えないけど、
鼻をピクッとさせなくても、
静かな時間は自分で守れる。
――魔法は使えないけど、
「一人で平穏に暮らす能力」だけは身についた。
それ、今の時代では最強スキルよ。