介護_心の均衡
ショートステイが終わり、東京より戻ってきた。
移動前、移動中においても気が重い。
この気分を払拭するために、移動手段もグレードアップし、贅沢な気分に浸った。
駅に到着し、改札を出ると憂鬱な気分に襲われる。
母がボケて我が儘放題がきにいらない。兄妹が2人なのに、長男は介護を放棄している。
子育て方法が間違っていたのに、未だに長男を恋しがっている。
いろんな理不尽が混ざり、私が心から親の介護に納得いかないのかもしれない。
たった一人で犠牲を強いられている、と思ってしまっている。
いっときでも介護から離れて、大好きな東京に戻ると、「些細なことで腹を立てても仕方ない」、「ボケた親に大声を出しても仕方ない」
とつくづく反省をする。
しかし介護の環境に身を置くと、イライラが募り、腹がたって仕方がない。
こんな状況で、介護を放棄した兄貴と会って、穏やかに対峙できる人間がいたら、よっぽど人間が出来ている。
今の私は、ボケた母、介護放棄の兄に、腹を立てないことが精一杯の抵抗である。